会員寄稿

地域社会に感動を!!

山口和吉

悪夢のような忌まわしいあの時、1995年1月17日、阪神淡路大震災の救援活動に身を挺して活動されている人々の報道を見て、罹災者の悲しみ苦しみの現状に行けなかった自分に何故か自責の念にかられる心境であった。 ただ、救援資金を全社員に募って新聞社へ送金する術しかできなかったからである。

 新年も過ぎ、1月10日頃だった、ある肌寒い雨の降る日、雨合羽に自転車の出で立ちで見知らぬ人が我が社にやってきた。合羽を脱ぎ、事務所のカウンターにその人が『ワシはこんな者なんやけどな』と言って応対の女子事務員に一枚の名刺を渡した。名刺にはチョーヤ梅酒の専務取締役 金銅氏である。 こんな有名企業の専務が雨の日にわざわざ自転車で来られたのは、どのような御用なのか戸惑いがあったが応接室へお通しして、話を聞くとロータリークラブへの入会の勧めである。(八尾市に居住している時もライオンズやロータリーからのお誘いを受けたがお断りした経緯があった)

 入会を決意したのは、前記、大震災の罹災者の問題、そして我が身を厭わず雨の中、自転車で、という誠実感によって決断した次第である。  クラブライフにおける素晴らしさは各奉仕事業が組織のもとに企画構成され、全員が心をひとつにして律し、且つエンジョイされていることではないだろうか。

 事業を経営する者に取って、経営の基盤は社会に必要とされる会社である事だが、ロータリークラブは地域社会、国際社会になくてはならない存在なのかを自問自答することがある。
 奉仕の精神は思いやりの心が不可欠であろう。地域に密着した奉仕を重要視して地域の住民に感動を与えられたらどんなに素晴らしい事だろう。

 最後に私の好きな 相田みつを の詩を載せます。

いのちの根

なみだをこらえて
かなしみにたえるとき
ぐちをいわずに
くるしみにたえるとき
いいわけをしないで
だまって批判にたえるとき
いかりをおさえて
じっと屈辱にたえるとき
あなたの眼のいろが
ふかくなり
いのちの根がふかくなる