会員寄稿

30周年を迎えて想うこと

福田憲美

 いろいろな役職を経験して26年、自分自身の齢を重ねつつ、我が羽曳野RCも少しずつ揺るぎない地盤を確実に積み重ねて30周年を迎える事が出来た。
 新しい出会いと別れも、幾たびか経験しつつ、とりわけ私自身の心を捉えたことは、台北南欣RCとの出会いではないだろうか。

 ロータリアンとして日々何をなすべきか、という大きな課題の中で、南欣RCの会員の方々との交流は、定規では測れない奥深いものを感じるのは私だけであろうか。
 世知辛い世の中ならばこそ、心と心の交流がどれ程生活にうるおいを与えてくれる事か、若い時代には感じなかった人間同士の触れ合いが、RCという大きな輪によって繋がれている事に喜びを感じるこのごろである。

 30周年を祝って来日された南欣RCのある会員は、「私の名前は日本名でカワムラです。」とさり気なく言われた。兄は靖国神社に眠っているとも…………。
 それ以上の会話はどちらも続けなかったが、何度か再会を重ね乍らも、今回ふと洩らした彼の言葉に言い様のない複雑な想いを味わった事は確かである。
 イデオロギーでもない、感傷でもない、言葉では表現する事の出来ない何かであった。
 再会を約束して見送った彼等の後ろ姿に、お互いロータリアンとして今回又、大きな絆を感じたのである。