RIテーマについて
 
    「MANKIND IS OUR BUSINESS」2001-2002「人類が私達の仕事」
 
 
                          国際ロータリー2001〜2002年度
                           会長   リチャードD キング
共に奉仕する同僚の皆さん:
 合衆国第二代の大統領ジョン・アダムスが曽てこう言いました:「この世で本当に重要なのは二種類の人でしかない―それは誓約する人と誓約を果たす人である!」と。ロータリアンの人生は真実重要な人生です。それは誓約し、そして誓約を果たす人生ですから……人類が私たちの仕事です。
 2001〜02年度、このテーマを掲げて、私はロータリアンの皆さんに、二つの誓約をし―且つそれを果たす―ようにお願いします。その第一は、生きとし生ける者に対する誓約として、貧困、疾病、無知、天災で生活を脅かされている人々に同情を寄せ、実際に役立つ援助の手を差しのべることです。人類を苦しめている諸問題に対して、実行可能な解決策を提供するのが私たちの仕事であります。不可抗力の力によって、その存在そのものすら脅かされている人々に対しても、またほんの少し手助けしてもらうだけで生活を軌道に乗せることが出来る人々に対しても、等しく援助の手をさしのべるのが私たちの仕事です。そうして、我が3万にも及ぶ地域社会で洩れなく生活の質を高めることがロータリーの仕事なのです。
 もし人類が私たちの仕事だとすれば、私たちの製品は奉仕です。そして会員は私たちの最も貴重な資産です。強力な会員組織を持たなければ全世界で急速に増えつゝある私たちの製品に対する需要に応ずることなど望むべくもありません。2001〜02年度において、私たちは全世界的にロータリー拡大強化の方策を講じ、それによって世界に貢献する能力を強化したいのです。これこそ私たちの最優先課題です。
 そこで、第二の誓約として、私はあなた方にお願いします―それは私たちと同様に、その才能や技術を発揮する機会に恵まれ、然もその能力を生かして人の役に立ちたいという意欲のある事業、専門職務の指導者層に手を差し伸べて、これを取り込むことです。何か有意義な道で世界的に際立ったことをしたいと考えている人々や、また自分では気付かずともロータリアンと同じ様な考えを持ち同じ様な行いをしている人々が居ることも、私たちは皆よく知っています。こういう個人個人をロータリーに引き込むことが私たちの仕事です。
 ロータリーのお陰で私たちがより良い人間に育てられたことは、大方の人々の認めるところでしょう。私たちの人生においてもしロータリーがなかったら、私たちはこれほどまでに自分を他に捧げることなどしなっかたはずです。また奉仕を運び届けるロータリーの組織化された制度がなかったら、他人を助けようとする私たちの努力も、おそらくそれほど多くの人々に及ばず、かくも遠く地球の果てまで伸びてゆくこともなかったでしょう。ロータリーは私の人生に授かった贈り物でした―それは私が他の人々と分かち合いたいと望んでいる善行の機縁、またあなた方にも同じ様に分かち合ってもらいたいと思うこの機縁、という贈物です。
 強力で持続的な会員組織は我が団体の内的健康度を測る物差しです。2001〜02年度、私は全ロータリアン、全クラブ、全地区に対して、以下四つの目標に的をしぼって挑戦する様要請致します:(1)会員増強、教育、同化、退会防止と拡大(2)クラブ内における教育、訓練の改善、会長エレクト研修セミナ(PETS)、新会員の啓発誘導(3)ロータリーに対する公共的イメージ(4)各ロータリー・クラブの強化拡大―ロータリーが提示する数々の機会を捉えて会員を教育し、地域社会にあまねくロータリーの善意の仕事を推進し、そして私たちのクラブすべてが会員を引きつけ維持するに足る確固たる体質を備えるようにして、意義深い永続的創造と発展の舞台装置を作り上げましょう。
 ヴィクトリア朝時代の文学に通じているロータリアンなら、この2001〜02年度のテーマがチャールズ・ディッケンズの人気物語クリスマス・キャロルから引用したものだとお気付きでしょう。これは人生訓的なお話ですが、冷酷非情な事業家エベネザァ・スクルージの所へ死んだ昔の相棒ジェコブ・マーレイが幽霊になって出て来ます。そのマーレイはあの世へ行ってから、生前思い遣りの無い振舞いをして来たことを後悔し、ずっとその苦しみにさいなまれているのでした。それを見てスクルージは、「だってお前さんは何時でも立派な仕事師だったじゃないか」と慰めの言葉をかけます。すると悲嘆にかきくれた幽霊は、がっくり首を落として、「仕事だって!人類が私の仕事だったんだ。社会の安寧こそ私の仕事だった;博愛、憐憫、寛容、慈善、このすべてが私のなすべき仕事だったのに……」と泣き叫ぶのでした。
ロータリーの会員になることによって、その人の人生が豊かになり、別人の様に変わることさえあるという、このロータリーの魔術を他の人々に分かち与えて下さい。
 ロータリアンたるもの誰でも、人道的な働きをせずに生涯を送ったことを後悔しながら、人生を終えることが無い様に致しましょう。ロータリーの道を貫き、他人に奉仕し、成長と繁栄に力を盡くす、ということによってこそすべてのロータリアンは、人類が私たちの仕事、というこの力強い誓約を公言して果たすことが出来るのです。
会長サイン
 
 
  「MANKIND IS OUR BUSINESS」2001-2002「人類が私達の仕事」
  
                           国際ロータリー第2640地区
                            ガバナー   前田 孝道
 国際協議会で、初めてこのRIテーマを聞いた時は、意味が良く判りませんでした。リチャードD キングRI会長エレクトは、「ロータリーの仕事…永遠の狭間で…」と題する講演の中で、RIのテーマについてのべられたのですが、残念ながらこの講演の時、私は旅の疲れの最高度に達した中での事で、聞きなれないレシーバーの声に、この時のお話の内容を十分理解することが出来ませんでした。他の多くの皆さんの中にもそのような方が多かったようでした。
 その後このRIテーマについて、ガバナーエレクト間で、どの様に理解すべきかの話し合いがあり、これにいくばくかの言葉を添えると理解しやすくなることがわかりました。
 
     「人類(の福祉に貢献する事)が私達(ロータリアン)の仕事」
     「人類(の幸福に役立つ働き)が私達(ロータリアン)の仕事」
 
( )の部分が、このテーマの理解を助けるために添えられた言葉です。
 リチャードD キングRI会長エレクトによって掲げられたRIテーマの根拠は、19世紀の中頃イギリスの作家ディケンズの中編人気物語集『クリスマスキャロル』の中からとられたものであるとのべられています。…冷酷非情な事業家エベネザー・スクルージの所へ、死んだ昔の仲間ジェコブ・マーレイが幽霊になって出てきます。そのマーレイは死んでから7年になるのですが、生前思いやりのない振る舞いをしてきた事を後悔しているのでした。スクルージはマーレイに、苦しみにさいなまれている理由を尋ねます。するとマーレイは「それこそ私が人生で忘れていた事だったんだ」スクルージは「だってお前さんは、いつも立派な仕事師だったじゃないか」と反論します。すると悲嘆にかきくれた幽霊は、がっくりと首を落として、「仕事だって!!人類が私の仕事だったんだ。社会の安寧こそ私の仕事だった。博愛、憐憫、寛容、慈善、このすべてが私のなすべき仕事だったのに」と泣き叫ぶのでした。誤った使い方をした人生の機会には、後悔しても修正の余地はありません。…と。人気物語集『クリスマスキャロル』の冷酷非情な事業家エベネザー・スクルージは、ケチで貪欲で、人情のかけらもない、すべての人々からの嫌われものでしたが、マーレイの亡霊に会い、自分の過去・現在・未来の姿を見せられた結果、悔い改め、思いやりのある暖かな、すべての人から好かれる人物になったと、物語は締めくくられています。
 
 
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