「めだか」のお・ね・が・い
忠岡ロータリークラブ
福屋 雄一
「1999年、日本メダカは絶滅危惧種に指定されました。」
 昨年、私は知人から丹波篠山(兵庫県)と四万十川(高知県)で採取したメダカの幼魚を10数匹ずついただきました。久し振りに観る懐かしいメダカでした。
 改めて周囲の川を見てみましたが、私が子供の頃、あちこちの小川で群れ泳いでいたメダカが、いつの間にか消えており、ペットショップでは。日本メダカが1匹40円程で売られているのが現状で、驚きです。
 私達の年代の者にとって、小川にはメダカが泳いでいるのが当たり前で、小学唱歌の「メダカの学校」も何の違和感もなく受け止めていましたが、今の子供達は「メダカの学校」を歌いながら、どのような風景を思い浮かべているのか?風景を思い浮かべるどころか、メダカそのものを知らないのではと思い、メダカを多くの子供達に観てもらいたいと考えました。
 忠岡ロータリークラブの萬野俊史会長に相談した所、会長から、町内の保育所・幼稚園・小学校に、ロータリーとして贈ろうと提案があり、私の家内がメダカの増殖を担ってくれました。大変であったと思います。その甲斐あって、いただいた20匹余りのメダカは、春から初秋にかけて産卵を続け、春先に生まれたメダカも大きくなって産卵したりで、約一千匹位のメダカが孵化しました。
 実際に飼ってみると、メダカは強い魚だと判りました。こんなにも繁殖力の強いメダカが、絶滅危惧種になるとはどこまで川が汚れ、自然が破壊されているのだろうと改めてこの現状に恐ろしさを覚えます。メダカが泳げない程汚れた水を私達は、毎日飲んでいるし、そこまで水を汚しているのは、私達なんだと言う事をメダカは強く訴えているように思えます。
 産地別に育てたメダカは日本メダカを増やそうと考えている方々にも差し上げましたが、その大半は、水槽に入れ、メダカの飼育の仕方の小冊子をつけて、忠岡ロータリークラブの社会奉仕事業として、忠岡町教育委員会の了解をいただいた上で、町内の保育所・幼稚園・小学校にそれぞれ寄贈しました。届けた先々で大変喜んでいただきました。
 子供達には、可愛いメダカを観て心安らいだり、卵から孵化し、成長するメダカの観察にも役立ててほしいですし、絶滅が心配されている事も考えて、メダカを増やしてほしいと思います。そして先生方がメダカが川に棲めなくなっている原因にまで、子供達が興味を持つ方向にご指導いただければ、今回の社会奉仕事業の目標と合致すると思うのです。
 水槽で泳ぐメダカから、次の世代の子供達には、「自然豊かな美しい川で活き活きと泳ぐ姿を観てほしいものだ」とけなげにお願いしているのだと、私達は強く受け止めなければなりません。
平成14年11月27日